執筆:ξ˚⊿˚)ξただのぎょー
参加・協力:慶應義塾大学ファンタジー研究会会員(こぶ、清水奈々佳、たられば、西澤碧海)
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◆捜索シーンガンダルフが示したこのあたり、エリアドールはさびし野という意味であり、君たちの目の前に広がる丘陵はその名を体現するかのようであった。一面の草むらは強い風に吹かれ倒れるかのようにたなびき、君たちはおろか獣たちが身を隠す場所もない。ただ風の吹きすさぶ音のみが君たちの耳の中で反響している。
山の高みや尾根のあちこちは古い石の城塞や城壁、塔の名残がある。フォルンオストは古の王国の王都であり、今君たちが立つのはその近郊ということになるだろう。館などの廃墟や塔の名残などが点在して目につくが、それはどこか不気味な印象を君たちに与えた。ガンダルフの言によればここをオークの集団が横切るはずだが本当だろうか。
少なくとも今、君たちの前に広がる景色の中にオークらの軍隊の姿はない。

ロイド:「こんなに見晴らしがよかったらオークの集団なんてすぐに見つかりますよ。ねえ大将」
フィンドール:「…………」
ローワン:話の振り先そっちなんだ。
LM:ただし、エリアがとても広いっていう感じですね。
フィンドール:「あいつらは人目を避けて移動しているんだ。生半可なことでは見つけられないんじゃないか」
イルムル:「見つけるのもそうだが、もともとこのあたりに住んでいる人間もいるという話はあった……」
LM:このエリアは全体的に人口密度はすごく低いけど、住んでいる人がいないわけではない。農場があったり、悪党が隠れていることもあるといった感じですね。
イルムル:「協力を仰ぐのもいいんじゃないか?」
フィンドール:「ドワーフにしては頭が回るようだ」
イルムル:「長いこと生きているのに、何故そんなことも思いつかないんだい?」
ロイド:ほら、こういうのを仲裁するのが人間でしょ。
ローワン:プレイヤーとしてこういうやり取りが好きで止める気にならない。
LM:というわけで〈捜索〉判定だけど、今「協力を仰ぐ」と言ったように、別の判定が提案できればそれを採用することも可能です。またここではいくつか判定をしてもらいますが、裏で成功度などの管理をしています。前のシーンの〈旅行〉判定でも一回失敗していますね。今回は〈旅行〉判定に失敗があった場合、遅れがあったとしてここでの〈捜索〉判定は不利、つまり判定ダイスの出目が悪い方が採用されます。そしてオークの軍勢の捜索を成功させるには、カンパニー全体で成功度アイコンが2必要です。
ロイド:有利判定を〈捜索〉で持っていた場合でも不利になりますか?
LM:その場合は有利と不利が打ち消しあって、判定ダイスを1個振ることになります。
ローワン:さて、どうやって捜索しよう。
ロイド:ホビットは眼がいいから、足跡とかを追う形になるんじゃないかな。たぶん見慣れない……全部の足跡が見慣れないか、ホビットにとっては! ……いやでも、ここには人間とエルフとドワーフがいるから、それぞれの比較ができる。よし、それ以外の足跡を探します。足跡を追って〈追跡〉。
LM:足跡はまだ見えてないので。そもそもそれを探す感じでして〈追跡〉は後で別の判定で使えます。今回は「痕跡を探す」なので、とりあえずは〈捜索〉なんだけど、人探して話聞くとかだったら〈礼儀〉でもいい。あとは、〈狩猟〉とかでもいいかもしれないね。他にこんなことできないか、ってのがあれば提案してください。
ロイド:とりあえずまずは〈捜索〉を、元々有利なので不利と打ち消し合って1個で振ります。判定ダイスが1個と技量ダイスが2個振って……出目が2、3、2、失敗!
フィンドール:成功度アイコンが全体で2回ですよね。
LM:はい。ただ全員失敗しても物語自体は進みます。
フィンドール:なるほど。ではオークがどういう風に進軍しているのかを〈戦術〉の観点から予想する、というので〈戦術〉で振っても大丈夫ですか?
LM:軍隊単位で移動しているからっていう考えね。いいと思いますよ。
フィンドール:たぶん失敗するけど。判定ダイスは不利で2個、〈戦術〉は2あるので、技量ダイスも2個振ります。難易度は16! 出目は14で失敗ですね。まずいな。
イルムル:〈旅行〉で判定したい……。この『使い古された地図』で、このあたりのルートを通って行けばバレにくいか、とかそういう感じでなんとか……。
LM:まあ……良しとしましょう。ただしこの後の判定では使えないことにします。
イルムル:ありがとうございます。判定ダイス1個と技量ダイス3個に『使い古された地図』も使って4個で……判定は成功! ただ成功度アイコンは出ず、4つも振ったのに……。
ローワン:私は〈礼儀〉で振ります。その辺の農民に「最近進軍の銅鑼や太鼓の音聞いてませんか」という風に。
LM:なるほど、問題ないですね、どうぞ。
ローワン:技量ダイスが3個です。出目は5、3、2、1で失敗! 成功度アイコンもなし。
LM:では君たちはこの判定には失敗したので、このあたりにはいないらしい、と分かります。本来だったらオークがここにちょうど来ていたはずのところだったんだけれども、旅路で遅れたからオークはもうちょっと先に行っちゃった、という感じですね。君たちも移動で追いかけなくてはならない。という形で、追いかけるために全員1点ずつ疲労してください。
フィンドール:ああ、もう2点しか余裕がない。
LM:追っていく中で足跡を見つけることは一応できた。こういう風に判定に失敗しても話は続いて行きますが悪いことが起きていきます。
ロイド:なるほど、苦労して成功するみたいな感じになるんですね。
LM:そうそう。というわけで、〈知覚〉または〈追跡〉判定です。痕跡を追って敵を見つけよう、みたいな感じですね。
オークそのものを見つけるのは難しくはない。人のいない場所を行進しているとはいえ、身を隠しているわけでもなければその数も多いからだ。そう、問題はその数である。100を越えるオークの軍団が進軍し、その中央には巨大で鋼の無数の鉄片を鱗のように埋め込んでいるオークがいるというのだ。
LM:ではまず〈知覚〉や〈追跡〉でオークの軍団を見つけてください。誰か一人でも判定に成功すればオークを見つけられます。成功度アイコンの数は管理しているので、全員判定してください。
ロイド:こういう時こそホビットの出番だと思うんですよ。判定ダイス1個、技量ダイス3個で……(ダイス)ガンダルフ、3、3、2で成功! ただ成功度アイコンはない。
フィンドール:こちらは〈感知〉で判定。得意なので有利で振ります。〈感知〉は2なので、技量ダイスは2個振り……あれ、失敗。
イルムル:自分は〈捜索〉で振ります。技量ダイスは3個で難易度16……あ、サウロン、6、3、1で失敗……。
ロイド:大丈夫、私が成功してはいるので! 「あ、皆さん! あそこにオークが!」
ローワン:「でかした! よく見つけたぞ! 俺たちじゃ見つけられなかった」
フィンドール:「ほう、やるなあ」
ロイド:「どうです。役に立つでしょ、大将?」
LM:しかし、このゲーム、成功度アイコンがいくつあるかをカウントするって割とあるはずなんだけど、誰も出さないね。
ロイド:サウロンはいっぱい出るのに。
ローワン:いや、ガンダルフ・ルーンもちゃんと出てるから、必要ないところで。
ロイド:ただ6が出ないだけ。かみ合わないなあ(笑)。
LM:まあ、オークを見つけることはできる。そして偵察しているので、オークからは身を隠さなければならない、というわけでここで〈隠密〉なり何か該当するようなものの判定を、こちらも全員行ってください。
ロイド:では〈隠密〉は得意なので、判定ダイス2個と技量ダイス3個で振ります……出目15で成功、成功度アイコンも1個!
フィンドール:こちらも〈隠密〉を、景色に紛れやすい『エルフのマント』を持っているので、ダイスにボーナスを付けて技量ダイス4個で振ります。25で成功、成功度も1あります。
LM:OK、二人とも成功度1ね。
イルムル:フィンドールがマントを使って擬態しているのを見て、自分も負けていられないと〈工作〉で擬態できるような、ドワーフが隠れられるくらいの、低い木立を……石とか枝とかをかき集めて。砂を自分にかぶせて。
LM:いいよ。
イルムル:ありがとうございます! じゃあ、同時に『使い古された工具』も使って技量ダイス3個で振ります。出目18で成功して、成功度アイコンも1個出ました。
ローワン:ではラスト、〈隠密〉は2あります。難易度は14。出目1、2、4! なんとかならない!
ロイド:これ隠れずに棒立ちしてるんじゃ……? ただ既に成功度3もあるし大丈夫ですかね?
LM:そうだね、カンパニーとして見ると、〈知覚〉の方は成功度0の成功、〈隠密〉の方は成功度3の成功で良い感じです。では君たちが隠れて潜んでいると、そばに落ちていたぼろ布のような物から急に何者かが立ち上がって腰の剣に手を当てる。
LM/???:「誰だ貴様ら」剣を構え、そう誰何(すいか)する声は男のものよりもわずかに高い。
イルムル:……まあ、交渉は人間に任せるか、と思いつつ、という間にも威圧しそうだから交渉は任せよう。
ローワン:失礼。怪しいものではないんだ、と言いたかったけど怪しいんだよな。
LM:まあお互い怪しいみたいなところはある。
ローワン:「ブリー村から来たんだ。名前はローワン。よろしく」
LM/ヨレス:「私はヨレス」と名乗り返す。
ヨレスと名乗った外套を纏った女性と一行が見合っていると、遠くの方でオークたちがぎゃあぎゃあと騒ぎだす声が聞こえた。
僅かに高くなっている丘から覗き込めば、平原を滑るように逃げる影と、そこに射かけられるオークの黒い矢が見える。しかし矢は影を貫くことはない。
ヨレスはチッと舌打ちをし、剣を鞘に収めた。
「あたしたちもオークらを追っていたんだが、気づかれたバカが出たらしい」
ローワン:よかった、私たちじゃなくて。
LM:判定の失敗数が多いと君たちの方が気づかれたことになっていたね。
ロイド:つまり、あっちで誰かが襲われてるってことですか?
LM/ヨレス:うん。遠くにその追われている者と追い立てるオークが見えてる。「あんたらもアレを追ってるのか」
ローワン:「そうです。我々もアレを追ってて、言ってしまえばカンパニー半分の仇みたいなもんです」
LM/ヨレス:「仇討ちか」
ローワン:じゃあ、「ガンダルフから紹介状を預かっている」と懐から紹介状を出します。
LM/ヨレス:「なるほど……では長に紹介しよう」と、君たちを先導して歩き始め、荒野の丘陵にあった廃墟に案内されます。
古の王国の館か砦であったのだろう。しっかりとした土台の上にレンガが積まれ、だがそのレンガの大半は崩れ落ち風化していた。僅かな壁や柱が残るのみ。
しかしその地下には秘された空間が残されていた。蓋のような扉を開け下りの階段を下りれば、そこは野伏たちにより整備された空間であった。そこには丈夫そうな木の机や椅子、寝床などが用意されていたのだ。微かに笑みを浮かべてヨレスは言う。
「ここは野伏たちの秘された拠点だよ」
LM:という感じで、ここは小休憩扱いとして、疲労点を1点回復していいよ。引き続き会議シーンに入ります。
イルムル:どかっと座らせていただきましょう。
ロイド:「すごい、冒険のための隠れ家みたいだ!」
ルール説明:7
基本的に判定は失敗しても物語は先に進む必要があります。一つの判定に全員が失敗したら物語が終了するようではいけません(戦闘の敗北と死は別として)。
今回は判定が失敗すると物語の展開に悪い影響を与えるという形にしていて、その旨はプレイヤーに伝えると良いでしょう。
今回だと、
・旅路の〈旅行〉判定で失敗する→オークの〈捜索〉判定が不利になる。
・〈捜索〉〈追跡〉〈隠密〉の成功度の数→次シーンの会議で相手の態度が変わる。
・会議の成功や失敗→戦闘シーンの敵の数やエンディングの変化。
などと決められていました。◆会議シーン
安全な休息場所だ。ここ数日の野宿とは異なる、四方に壁があるということのありがたさを君たちは噛み締めた。
しばらく身を休めていると、見張りより戻ってきたのであろう野伏たちが集まってくる。オークたちに見つかったという野伏も無事であるようだ。ヨレスは彼らと二、三言葉を交わしている。ここにいる野伏たちは全員で10人ほどであろうか。もちろん、ここ以外にも隠れ家があるのかもしれないが。
やがて日が落ちた頃、彼らは机の周りを囲むように座った。髪の大半が白く、その顔や首には深くしわの刻まれた年老いたように見える野伏がヨレスから手紙を受け取った。君たちがガンダルフから預かったそれである。
彼は卓の奥まった場所に座り、君たちに正面に座るよういざなう。そしてこう言った。
「旅の一味よ。私はヒアルイン。ここにいる野伏たちをまとめているものだ。勘違いしてほしくないのは、野伏全体の長ではないということ。われら野伏の族長は遍歴(へんれき)の旅の途にあるからな」
LM:ここを纏める野伏のリーダー、ヒアルインさんです。ちなみにこの時期野伏の族長、アラゴルンさんは南の方にいるので。ガンダルフがそっちに行ったのもその関係かもしれない。今回の話には関係ないので考えてないけどね。
ロイド:なるほど。
LM:まあ、主に話すのはヒアルインですね。さて、会議ではまずカンパニーの目的を決めます。それによって会議の抵抗数が決まります。
ルール説明:8
このゲームには会議を進めるシステムがあります。指輪物語の『旅の仲間』の下巻、『エルロンドの会議』などを再現するためのシステムであると言えるでしょう。
会議のルールはカンパニーの目的が相手にとって受け入れやすいものか受け入れ難いものかの判断から始まり、自己紹介、話し合いと進みます。

ローワン:「我々一行はブリー村からやってきました。つい先日、ここ数十年青の山脈を根城にしていた鋼の鬣というオークが一団を連れて東へ出てきたということで、その調査に参りました」
LM/ヒアルイン:「鋼の鬣、なるほど。確かに私達も見ているな。あのオークの軍団の中央に巨体にして異形のオークがいた。異形、そう鬣のように金属片を体に埋め込んでいたよ」オークの中には金属とか体に埋めちゃうのがいます。「汝らが調査に来たと言うならば、まさにそのとおりであったと言っておこう」
ローワン:「ガンダルフの見立てによるとサウロンが名乗りを挙げてから、モルドールに数々のオークらが集まっていると。恐らくそれに合流するのではないかと、我々は考えている。その前に兵力の調査、あるいはできることならある程度戦力を削るなり、願わくば鋼の鬣を打ち取ることまで作戦の中に考えて我々は行動している」
LM/ヒアルイン:「なるほど、わからんでもないが、汝らの目的が定まっていないと見える。調査と言うならば、あそこにいたオークの数はおよそ120。その数は出ている。単純に奴らを削りたいのか、それとも首魁(しゅかい)を倒したいのか……」
ロイド:「ローワン、ローワン。もう言っちゃいましょうよ。倒すのに力を貸してくださいって。今さっき聞きましたけど、因縁の相手なんでしょ。チャンスなんじゃないですか?」
蝋燭と松明の頼りない明かりに一行の、野伏らの影が揺れる。
ローワンは語りはじめた。
「去ること十数年前、私はドワーフの行商人を商売の師とし東西街道を往復していました。しかし青の山脈でオーク兵に襲われ、仲間を失った」
彼の手が隣に座るドワーフの女を示した。
「彼女は青の山脈で年配のドワーフらと共に過ごし、山の危険な生き物や悪鬼らを狩って過ごしていました。しかしある日、オーク兵らに全滅させられ、生き残ったのは彼女のみだった」ローワン:「彼女と私にとって、『鋼の鬣』というのは因縁の相手であり、今ここでやつを倒してしまいたいというのが心情であります。可能であれば、あなた方野伏の力をお借りして、奴の進軍を止め、倒してしまいたい。ここで復讐を果たしてしまいたいと思っている。どうか我々にお力添えいただけないでしょうか」
LM:というのが君たちカンパニーの主張ですかね。オークの首領を倒すための露払いを求めるのは割りとずうずうしい提案な気がしますね。
ローワン:そうですね、結構ずうずうしいと思っています。
ロイド:でも要求を通すときって、一番上を求めてから本題を通すっていう。
LM:では『ずうずうしい提案』ということで抵抗数、説得に必要な成功回数は6としましょう。
ロイド:とりあえず、長い話だったので、皆さんに白ぶどうのワインをお配りしておきます。
ローワン:かなり長い話をしてた。二人分の過去語りをしてた。
LM/ヒアルイン:次は自己紹介ですね。「奇妙な一行よ、改めて名乗るがいい」
ローワン:自己紹介としては、ブリー村のローワンです。……自己紹介というのは?
ロイド:えっと、カンパニーの代表者が一行を紹介するらしいから、名指しで呼んでもらって。
フィンドール:カンパニーの代表者というか、会議の代表者というか。
LM:別に名前を名乗るのは個人でやって構わないんだけど、システム的には話し合いのファーストインプレッションで好感度を得られるかどうかですね。判定としては代表者がやります。〈威厳〉、〈礼儀〉、〈謎々〉のどれかで判定となっているんだけど、そもそも自分から名乗っていくんだと、〈謎々〉ではないので、〈威厳〉または〈礼儀〉ですね。
注:自己紹介の判定を〈謎々〉で行う場合は自分の名前や身分など、正体を隠して会議に参加しようとする場合などと考えています。
ローワン:〈礼儀〉は技能ランク3あります。得意ではない。
ロイド:私、〈礼儀〉はランク2ですし得意だから有利判定なんですけど、ワインを注いで回って技量ダイスを3個にすることも可能。
イルムル:難易度は?
ロイド:こちらは15。
ローワン:私は14。どっちでもあまり変わらない。
ロイド:流れ的にはローワンが振ったほうが自然でしょうか、いきなり横からしゃしゃってきたホビットが〈礼儀〉振ってもな、っていう。
ローワン:では失礼して。希望点を1点消費します。特徴なんですけど、忠実を取っていて、自分の目的、ガンダルフに示された目的を達成するということに対して。
LM:うーん、忠実なロールプレイをするなら、「俺は絶対に奴を倒す」みたいなことを最初から推して初期目標をブラさないほうが良かったのでは?
ローワン:確かに。人間のね、交渉って上手くいかないなって。
LM:自分のキャラクターの設定をうまく反映させようとするの難しいですよね。
ローワン:仕方ない、高揚状態じゃないけど希望点1点消費して判定します。お、出目22で成功度アイコン2つ。
LM:おお。では、会議の時間制限が(抵抗数+成功度アイコン)になるので、8回まで判定ができますね。
フィンドール:少なくとも2回は失敗できるのか。
LM/ヒアルイン:ガンダルフからの手紙を取り出して「彼らの言うことは、かの賢者からの手紙にも書かれている。彼らが真を告げていると私も判断しよう」
LM:次は話し合いですね。判定できる回数が8回と決まりました。その中で成功回数が抵抗数を超えていれば成功で、超えていなければ失敗です。成功度アイコンが出ればその数だけ追加で成功した扱いになります。判定に使えるのは〈鼓舞〉、〈説得〉、〈洞察〉、〈音楽〉、〈謎々〉ですね。ただし〈音楽〉判定はくつろいでいる時だけ、今回に関しては一回以上判定に成功していて、野伏側が聞く気になっている必要があります。〈鼓舞〉に関しても「相手にこちらの言葉を真剣に聞くものがいることが必要である」ということなので、相手の態度が親身であるか成功回数が3以上であればこちらのシンパが出て使えるようになるとしたいと思います。
フィンドール:ふむふむ。
LM:相手の態度は渋々、傾聴、親身のどれかになり、渋々である場合は技量ダイスを1個失い、傾聴の場合は増減なし、親身の場合は技量ダイスを1個足すことができます。これまでにオークを探す〈捜索〉などの判定を3回してもらいましたが、あそこの成功度アイコンの数などで反応を決めています。オークの痕跡に気づくのが翌日になってペナルティをもらっているんですが、オークから身を隠す〈隠密〉に関してはよくできていたのでそれなりの有能さは示している、というふうに考えてこの場合はペナルティもボーナスもなしの傾聴、君たちの話を聞こうという態度です。〈隠密〉で成功度が3出てなかったら君たちはすごい無能だなって思われて態度が渋々になっていたという(笑)
ロイド:いやー、よかった。
LM:無能な一行がボス倒すから力を貸せって言ってきたら、お前さーって思われる可能性高いよね、という話ですね。あとはさっき言ったとおりロールプレイが技能判定と噛み合っていれば、その段階で技量ダイスを1個与えます。例えば〈説得〉なのに〈鼓舞〉っぽいこと言ってんな……とか、なんかいきなり歌い出したぞこいつ……ってなるとだめだけど、判定はプレイヤーの権利だからそれでも判定はできます。ただ、ロールプレイが噛み合っていればダイスが1個増えますし、話す内容がカンパニーの目的や野伏達の目的と合致しているならさらに追加で1個、最大で2個のボーナスが得られます。上手くロールプレイして成功回数を稼いでね、ということですね。今回の話し合いが成功すれば助力を得られる、失敗ならそれが限定的になってしまいます。あと自己紹介で失敗しなかったら大丈夫ですが、もし話し合いが大失敗の場合は集落より追い出されてしまいます。
ロイド:危ない危ない。
LM:では、まずは〈説得〉〈洞察〉〈謎々〉などで野伏たちに話してください。
ローワン:〈説得〉で振ります。野伏たちに、「我々の追いかけている『鋼の鬣』というオーク、彼らは青の山脈から来ています。青の山脈に生息しているということは分かっているにもかかわらず、数十年にわたってそこを根城にしていました。非常に強大な敵であるということは我々も理解していますしガンダルフもそう考えています。彼らがモルドールに集結した場合、非常に大きな戦力になることは予想に難くないと思います。今ここで排除しておくことが後々のサウロンの中つ国に対する影響を少しでも抑えることになるのではないかと我々は考えています。ぜひお力添えを願いたい」というふうに説得を試みます。
LM:「なるほど」と君の言葉に納得したように頷くものもいれば、「しかし別にこの地を通過されているだけだしな」というような感想もあります。ロールプレイはかみ合っているのと、野伏の目的自体も本来この悪を倒すってのがあるので、技量ダイスを2個足していいです。
ローワン:よし、では振ります……5、5、5、5、5、6で出目31、成功度アイコン1つ!
ロイド:すごい出目、流石リーダー!
LM:グッドコミュニケーション!! ……とんでもないな。
ロイド:1つご相談いいですか? 〈隠密〉を使って説得をしたくて。どういう説得をするのかというと、リーダーが説得を行っている間にホビットは隠れます。さっきまでワインついでたんですけど、隠れて気配を消して気がついたら長の後ろにピョンって現れます。そしてこう言います。「あの軍前にここから立ち向かっていくのは無理だと思うんです。あの長を暗殺するためにはこういうふうにこっそりこっそり近づいていく必要があると思うんです。僕は今見せた通りこういうのが得意なんです」という説得をしたいです。
LM:内容としては悪くない。これ判定する技能が決まっている場合どうしようかな。
ロイド:決まっているんでしたっけ。だとしたら〈説得〉で。
LM:ロールプレイ的にはとても良いので技量ダイス2個増やしていいですよ。あと隠れているので〈謎々〉判定でもOK。
ロイド:あ、じゃあ〈謎々〉で振らせていただきますね。出目22、成功度アイコン0。
LM:成功回数に+1ですね。
ローワン:あと3回か。
フィンドール、イルムル:(互いに顔を見て苦笑)
ロイド:〈説得〉ができなさそうな人たちが……。
フィンドール:うーん……フィンドールは昔からエルフに伝わる、モルドールの勢力によって村が滅ぼされた悲しみの歌で焦燥感を煽ろうかな。
ロイド:突然の歌。
LM:噛み合ってますね。
フィンドール:振ります。おお? 出目20、成功度アイコン2です。
ロイド:おお、すごい!
LM:なるほど、では君の歌は野伏たちの心に深く刺さった。
フィンドールはおもむろに立ち上がり、咳払いを一つ。何か発言かと野伏たちの視線が集まる。
そんな中、彼はゆっくりと歌い始めた。
灰の向こうから 一羽の鳥が
翼をはためかせ 飛んでくる
手のひらからこぼれていく
川のせせらぎよ 木々のざわめきよ
愛するものたちの唄声よ
去りゆく鳥に 別れを預けて
灰の間を進んでいく
世に緑が戻るまで
技巧を凝らした歌ではない。伴奏もなく、合唱もないものだ。いっそ素朴と言っても良いほどであった。だが、素朴であるが故に。ただ一人の男の唇が紡ぐその声の響きは、その歌詞は、野伏たちの心を深く打ったのであった。
LM:これで必要な会議に成功回数は満たしましたね。ただせっかくなのでイルムルからも何か野伏達に言っていただきましょうか。
イルムル:では、「ここにいる人間のローワンとあたいは元々鋼の鬣に用がある、復讐をしようと思っているところもあるが」と言って兜を上げて傷があるところと髭を見せ、「この傷を受けたその時に、あたいの慕っていた爺さんたちも亡くなってしまった。ローワンが言っていた通りあいつらが、モルドールの方に合流してしまうとより多くの被害を産むかもしれない。そういうところでも協力をいただけるとありがたい」と言っておきます。
ヒアルインは巌のようにびくとも動かず君たちの言葉を最後まで聞いて頷いた。
君たちの言葉や歌は野伏たちの心に火を宿したようだ。特にヨレスのような歳若き野伏たちはその顔を紅潮させている。
ヒアルインはゆっくりと彼らの顔を見渡し、野伏たちにこう切り出す。
「なるほど、先ほど誰のせいとは言わんがオークどもに居場所を知られてしまった。失敗は失敗だ。零れた水は元に戻らないが枯れた花は翌年また咲き、折れた剣も鍛え直される。一度の失敗でとやかく言うことはない。再び機を待てばいいのだ。彼ら一行を加えて襲撃をかけるぞ」
「おう」
と野伏らが応えて話し合いは終わった。…………
………
……
…
『一つの指輪:指輪物語TRPG』日本語版 Webリプレイ 第3話 へつづく
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執筆者
ξ˚⊿˚)ξ ただのぎょー
『小説家になろう』での執筆をつづけ、昨年8月に商業デビューした新鋭小説家。
物語の舞台となる世界の文化や、そこに生きる人々の各階級の流儀や風習などの描写の緻密さに定評がある。
代表作品
『モブ令嬢テサシア・ノーザランは理想の恋を追い求めない。』
『追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。』(上)(下)
『朱太后秘録1 私が妃だなんて聞いてませんが! 』


