
執筆:ξ˚⊿˚)ξただのぎょー
参加・協力:慶應義塾大学ファンタジー研究会会員(こぶ、清水奈々佳、たられば、西澤碧海)
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……
…
ランタンの明かりを頼りに一行が縄梯子を降りていくと、闇が切り裂かれて、本当に久しぶりに光が当たったという感じの、埃っぽい空間が露わになる。巨大なムカデや鼠が光に驚いて逃げていく。穴の真下には落下により絶命したオークの死体が一つ。また怪我を負ったオークが身体を引きずって奥に向かおうとした跡があるが、彼らは何者かの刃によって身体を切り裂かれ、黒い血を流して倒れている。
降り立った場所は広間である。再び陰鬱な角笛の音が響くと、身体が、魂が震えを覚えるが、僅かにそれに慣れたようにも感じるのだった。
LM:角笛は響くが、これ以降それによって影点が増えることは基本的にないとします。
ロイド:「オークが死んでる。何か戦いがあったんでしょうか?」
ローワン:「幽鬼にやられたかね?」
LM:戦いというほどではなく、落ちて死にかけていたのにとどめを刺されたように見える。
ローワン:「手負いのオークと戦う手間がなくなったが、手負いのオークを殺れるほどの幽鬼と戦わなければならなくなった気がする」
フィンドール:「いつ襲われるか分からない」
ローワン:「警戒しよう」
LM:警戒とか周囲を調べるのであれば、知覚やら振ってください。
イルムル:「そいつと今笛を鳴らしているやつが少なくともいるってことだね」
ロイド:では周囲に敵の気配がないか、〈感知〉で振ってみてもいいですか?判定ダイス1個、技量ダイス3個で振ります……17。体力は16 なので成功で、成功度アイコンも1個出てます。
LM:ではちょっと正確な描写を。
この広い空間には幽鬼の気配はない。オークは息絶え、動くものは冒険者たちと蟲や小動物ばかりだ。
周囲には土に半分埋もれた、人工的な石組みの壁が見える。その堅牢な造りや規模、錆びてはいるが鉄で鋲打たれ補強された扉、ひしゃげた落とし格子からして、かつては立派な城砦であったのだろうと想像がつく。
しかしこの規模のものが崩落することもなく地下にあるということは、人智を超越する、なにかあまりにも強大な力によって沈められたのだろうか。
ここは砦の門と建物の間であろう。ただ、門はひしゃげ、またその先は土砂に埋もれている。側面にはかつて物見の塔であったろう崩壊した石組みがあり、そして背後には砦の内側へと繋がる扉がある。
砦も大半は土砂に埋もれているようだが、扉は僅かに開いている。そこへ続く地面には、オークを斬り殺した剣から垂れたであろう黒い血痕が点々と続いていた。
LM:……という感じですね。
ロイド:「この辺に幽鬼って言うんでしたっけ? みたいなのはいないみたいですけど。不思議な遺跡ですね。すごい昔に何か魔法みたいなもので沈められちゃったんでしょうか」……これ何でわかるの? ホビットが。
一同:(笑)
ローワン:「さて、角笛を探さねばならないかな」
フィンドール:「ならば、中に入るしかあるまい」
ローワン:「迷う必要がないというのはいいことだ」
イルムル:「ではあたいは先に行かせてもらうよ」と言いながら前に向かって。
ローワン:前と後ろを警戒すればいいか。
フィンドール:「急くな」と言いつつ、扉に近づいて聞き耳を立ててみたいです。
イルムル:「何だ、エルフうるさいぞ」
フィンドール:「少し黙っていろ」
ロイド:「まあまあ姉さん。もしかしたら抜け道みたいなのがあるかもしれないじゃないですか」
フィンドール:〈感知〉で判定してもいいですか? 〈感知〉が得意で技量が2……すごく出目がいい。成功度アイコン2個です。
ロイド:強い、急に強い。
LM:実際フィンドールの出目よくないですか?
ローワン:今回も有能エルフですねえ。コンスタントに出目がいい。
ロイド:悔しい。
LM:扉の向こうには何か小さな物がうごめいているような気配がする。小型の生き物が居るようだ。正体は分からない。馬鹿デカいネズミとかだろうか……という感じです。
フィンドール:「猫ほどの大きさのネズミが居そうだ」
ローワン:「じゃあ威嚇しながら入るかい?」
フィンドール:威嚇するのか? 手を大きく広げて?
ローワン:「どうせ侵入者がいることはバレているんだから」
ロイド:「それなら戸を片方ずつ持って一気に開けて、武器を持った二人が中に入ったらいいんじゃないですか」
ローワン:無用な戦闘をしたくない、追い払いたいだけなので。
イルムル:「あたいは先陣を切らせてもらうよ」と扉の前に仁王立ちします。
ローワン:「どうせ入るしかないんだから、とりあえず扉を開けよう」
LM:では、戦闘ではないですがネズミとかに襲われないよう威圧できるか判定です。
イルムル:仁王立ちをしていた威厳を活かして「かかってくるなら、来な!」って言いながら〈威厳〉判定。得意なので技量ダイスは2個……おや?
ロイド:サウロンの目! ……が出ているけれども有利判定だから大丈夫か。
イルムル:ただ、出目が死んでいる!(笑)
ロイド:判定ダイスが2の、技量ダイスが6、1ですね。
イルムル:難易度は14なので失敗だ「あたいの威厳が通じない!? おかしい、威厳どこ行った?」(笑)
ロイド:じゃあ、ホビットは技量ダイス0個、判定ダイスのみで振ります(笑)! 7、失敗です。じゃあ姉さんの隣で真似して仁王立ちしていよう。
ローワン:〈威厳〉が0なので、考え得るのが〈説得〉しかなくて。「まあ待て! 俺たちは美味くないぞ」って(笑)
ロイド:せめて槍を振ったほうがそれっぽくないですか?
ローワン:でも、槍振ったってどうせ。
ロイド:そうだ、この人当たらない(笑)
ローワン:難易度18は成功しない……。
フィンドール:とりあえず〈威厳〉で先に判定します。技量ダイス2個で……判定ダイス1の技量ダイス6、3で失敗。悲しい、みんな威厳がない。
ローワン:威厳あるのかなー。判定ダイスだけで……4。失敗、威厳ない。
LM:ではネズミたちは君たちに襲い掛かり、君たちが武器とかを振るとワッと散っていく。襲い掛かられたことで傷を負ってしまい、1点ずつダメージを受けてもらおう。
ロイド:「びっくりした。あんな大きいネズミいるんですね」
イルムル:「あたいに怖がらないなんて、随分と度胸のあるネズミどもだ」
ローワン:「イルムルに襲い掛かるというのは、野生動物としては不自然な気がする」
フィンドール:「この地に呪いが渦巻いているのかもしれない」
ローワン:「幽鬼を見慣れているからイルムルが怖くなかったとか?」
イルムル:「なんだって? あたいよりもっと強そうなやつがいるって言うのかい?」
ローワン:強そうというか根源的恐怖? 具体的に言うと人に影点を与えるような(笑)
ロイド:「要するに、姉さんよりも怖い存在がこの遺跡にいるってことですよね」
イルムル:「それは捨て置けないな。あたいの方が強いっていうのは決まっているんだ」
ローワン:「まあ、怖さと強さは比例はしないからな」
イルムル:「確かにそうか……あたいは優しそうにも見えるからな」
LM:ポジティブ解釈(笑)
広間の右手側はかつての食糧庫であったのだろうが今やネズミどものねぐらであった。扉は木製の頑丈なものがあったはずだが、腐食とネズミに齧り尽くされておがくずが積もっているだけで中が見えるような状態である。今や、食料と言えるものは残っていないが、動物の死骸や野生化した芋などの植物が僅かに生えている。
左は扉が残っている。こちらは砦の構造としては一般の兵が寝泊まりした宿舎であろうと想像がつく。
そして奥には上り階段が繋がっている。地位の高い者でもいたのだろうか。一行がそう考えていると、正面からあの陰鬱な角笛の音が響き、そして声が続く。
「この地を汚す悪鬼どもよ。立ち上がり、はせ参じよ、我が勇士たちよ!」
と、そして再び角笛が響き、声が続く。
「剣を持て!」

ロイド:「何かまた来るんですか? さっき戦ったばかりなのに」
イルムル:「声は奥から聞こえるようだが。正面から来る感じか」
ローワン:左右に行って何が起こるかというのは皆目見当がつかない、そのまま正面に突っ込むのがいいんだろうけど。
ロイド:気付かれてるのに、悠長に探索するのはちょっと……(笑)
ローワン:ちょっといいですか? ……左右のマッピンがグしたい(笑)
一同:笑
フィンドール:いや、確かにクリアリングは大事だ(笑)
ロイド:もう順番に扉を開けていきますか? 「もしかしたら別の道があるかも」って。
LM:じゃあ〈捜索〉の判定をどうぞ。
ロイド:技量ダイス2個の判定ダイス2個で判定します。サウロンの目が出てるけど有利だから……ああ、でも判定ダイスが5で技量ダイスは6、1。失敗です。
フィンドール:判定ダイス1個だけ振って〈捜索〉。失敗。
イルムル:こちらも〈捜索〉で判定。判定ダイス1個と技量ダイス3個……だけどサウロンの目と4、6、4。14では失敗です。
ローワン:LM、この判定って〈探検〉使えますか? 技能的に微妙かな。
LM:いいですよ。
ローワン:地下じゃないですか。ある程度の暗さがあると思うんですよ。なのでカンテラに火を灯して、その明かりで物を探したりという使い方をして、『役に立つアイテム』でダイスを増やしたいです(笑)
LM:大丈夫ですよ。
ロイド:頑張れー! このカンパニーの成功は全部託された(笑)
ローワン:判定ダイスが1個に技量ダイスが3個。希望点は使うかどうか!
フィンドール:大丈夫? 使い過ぎてない?
ローワン:個人的には希望点は結構使ってもいいかなと思ってるんですよね。休憩の時に友情点を使って回復もできるし、幕間フェイズあれば心力の分回復するんで……あっ、ちょっと待った、「指導力」の特徴があった。えーっと、この宿舎の扉を率先して開けに行くのはローワンなんですよ。すなわち、みんなにこれからこのカンパニーは探索をするぞという道筋を示す指導力です(笑)
LM:まあ、いいだろう(笑)
ローワン:ありがとうございます(笑)高揚状態になって、技量ダイス2個増やします。これで技量ダイス5個、失敗したくない……19で成功です!
LM:はい、では戸を開けたところ、ここは宿舎だったようです。今は死体が残っていて中には完全に白骨化しているのもあります。そして角笛が響くと、その死体はむくりと起き上がり、フラフラと角笛の音の方へと向かっていきます。この死体は幽鬼ではなく、ただの白骨という感じですね。そして、部屋の残置物などから、ここは「ヴァンディールの砦」と呼ばれていた、当時の騎士なり貴族なりの砦だったということが分かります。さらに、彼らの使っていた物を見つけたものとして、宝物の判定ができます。「下級の宝の山」ですね。
ロイド:えーと、「下級の宝の山」……一人ずつ技量ダイスを1個振って合計するのか。(一同ダイスを振る)……10点分の宝の山ですって。何があるんだろ? 砦だしフィンドールの兜の代わりがあるかな?
フィンドール:兜、いらないけど。
ロイド:いらないの!? じゃあ10点分の宝物。魔法の宝物リストはあるけど、ここでは通常の宝物……ちょっといい剣とか、あとはもう装飾品系ですかね。それを分配しろと書いてあります。
LM:そんなに価値のあるものということでもないが、古びたコインや金細工のブレスレットとか。そういうのが見つかる。
ロイド:冒険っぽいのでテンションが上がって「うわぁ、ローワン見てください! 宝の山ですよ!」
ローワン:「当初の目的とは違うが、持って帰るか」
フィンドール:私は物に執着がないから、なにも言わない。
イルムル:「まあ、持ち帰ってもバチは当たらんだろう」
LM:そうですね、これらは埋葬品ではないし、持っていったからといって悪名が溜まったりはしません。
ローワン:「これを売ったお金で馬を買うといい」分配に関してはとりあえず保留で。
ロイド:無事に帰れたらやりましょう。とりあえず10点分の財宝って書いておこう。さて、角笛が鳴っているところに行かなきゃ。
ローワン:さっきの説明からすると、角笛の音が死体を動かしているのかな?
ロイド:動いている死体があるんなら、今のうちに崩しておくのも手?
LM/ヨレス:「宿舎の死体をあらかじめ全部潰すか、扉を逆からカンヌキで閉めてしまってもいいんじゃないか」
イルムル:死体を潰しても本当に動かなくなるかは分からない。
ローワン:面倒そうだな。扉を封鎖しておくのが一番無難そう。
イルムル:宿舎だし、何か扉を開けられなくできるような物くらいあるだろう。
LM:封鎖するなら何か適当な物で塞いだということで、判定しなくても大丈夫です。
ロイド:大きな槍とかで、なんかこう。
イルムル:交差させてね。
ローワン:「これで背中を気にせず戦闘に臨めるというものだ」
ロイド:「よし、じゃあ行くんですね」
ローワン:「我々も剣を抜くぞ!」
フィンドール:準備は? 鎧を脱ぐとか。
ロイド:鎧はもう脱いでる(笑)
LM:ここの入り口の丘で、馬が何か重いものを乗せられたって顔して、そこら辺で草を食んでいると思います(笑)
◆クライマックス戦闘
奥の扉を開けて、廊下を進んでいくと、その扉の主であったであろうヴァンディールの執務室に着く。扉を開けると半透明の、ここに来る前に見た幽鬼が佇んでいる。ボロボロのマントを被っているが、それはよく見ると旅人のものではなく騎士のものであろう。
幽鬼の前にはくすんではいるが、かつてはきらびやかであったであろう鎧を着た男が執務室の中央に立っている。
彼が言葉を発する。
「立ち上がれ、馳せ参じよ、我が勇士たちよ」
すると奥にいる小姓のような霊が角笛、魔力のこもった角笛を吹いた。
先ほども聞こえた言葉だ。同じ言葉を繰り返している。
そして君たちの方にぐるりと顔を向けた。しかしその瞳は何も映してはいない。
「侵入者、この地を穢す悪鬼どもよ」
ロイド:「ずっと同じこと喋ってる……。もしかして、もう何も考えていないんでしょうか」
フィンドール:(首を振る)
ローワン:「死んでいるから、己の意思というものはほとんどないのだろう」
フィンドール:「引導を渡してやるのがせめてもの情(なさけ)だろう」
◆戦闘開始 第1ラウンド

ロイド:なるほど(配置整理)。よし、ぼこぼこにするぞー。今度こそ!
LM:クライマックス戦闘的な感じなので、ヴァンディールが「侵入者よ、この砦は渡さん! 剣を持て!」と言って戦闘を開始しましょう。ですが、この幽鬼たちは「炎恐怖症」というのを持っていて。
ロイド:あら。
LM:ラウンド開始時に燃えている物と接敵していると憎悪点を1点失ってしまう。さっきランタン持ってると言ってたから。
ロイド:あ! ローワンのカンテラか。
LM:幽鬼が「オォォオオ……」と炎を恐れて、憎悪点が勝手に減っていく。
ロイド:なるほど。
イルムル:これが目に入らぬか!
ローワン:じゃ、槍の先端に括り付けて「フゥン!」って。(突き出すジェスチャー)
フィンドール:それやるのホビットっぽくない?
ローワン:確かにホビットっぽい。なんかコメディー要員な感じ。
LM:見たところ、幽鬼は動きが素早く、スケルトンは鈍そうに見えます。
ロイド:頭数を減らすならスケルトンを狙うのがよさそうですね。攻撃が当たりやすそう。
イルムル:じゃ、頭数減らす方向で行きましょうかね。斧でスケルトンを狙う。「鋼の鬣を追えなかった憂さ晴らしをここでさせてもらう!」当たるかどうかは知らんが!
ロイド:当たってくれ……!
イルムル:直感が「使え」と言ってるから、希望点も1点使う。「こんな骨! アタシの斧で1発だ!」って言いながら、獰猛の特性で高揚状態になってもいいですか?
LM:どうぞ。
イルムル:では技量ダイスを2個増やします。1発で沈め! ……判定ダイスは1、技量ダイスが6、6、5、5、1。結果は24で、差分が10の成功です。成功度アイコンも2つ。
LM:スケルトンは鈍いので、命中。
イルムル:成功度アイコンの効果で重撃を入れて……同じ効果の重複はできないんでしたっけ?
ローワン:「複数の種類の特殊効果を発動しても、同じ特殊効果を複数回発動しても構わない。」だそうです。
イルムル:倒すのが目的なら重撃2回使った方がいいか。ダメージは元々の6点に(イルムルの)体力6点を2回足して合計18点ダメージ。さらに両手武器なので最終的には20点ダメージ!
ローワン:20点!? すごいな……出るときの火力は出るわ。
ロイド:もう骨バラバラでしょ……
LM:そうですね、何体分かの骨が一振りで砕け散って行きます。
イルムル:「オラァッ!」と叫びながら、骨を粉々にしていきます。
ローワン:戦闘のドワーフはやっぱりすごいな。
ロイド:「僕要らないんじゃないかな……?」って思いながら、幽鬼の方を刺せるかやってみます。前衛スタンスの効果で技量ダイスを1個増やして、技量ダイス3個で振ります。判定がダイスが……1? 結果が14だと目標値超えてなくて失敗です……
LM:幽鬼は素早いので、回避修正値はプラス1です。
ロイド:なるほど、ということは17を出さなきゃいけない。無理では……?
LM:回避修正値プラス1で諦めないで(笑)
ローワン:次のラウンドで私が〈鼓舞〉が成功すれば技量ダイス1個増えるので。
ロイド:そっか。じゃあ、次のラウンドからは希望点使おう。でも私が攻撃当てても小剣だから3点ダメージか……まあ、3点を笑うものは3点に泣くからな……
フィンドール:それはもう、成功度アイコンを出して貫通の効果を使ってもらって。
ロイド:前回は痛打を出してオークを1発で倒した記憶がある。そう、痛打さえ出せばいいんですよ。
ローワン:じゃ、中衛の行動ですね、希望点どうしよう。使ってもいい気はするけど、高揚状態にする手段がちょっと思いつかない。
ロイド:〈鼓舞〉の難易度は14ですか?
フィンドール:いけるいける。
ローワン:じゃあそのまま振ります。〈鼓舞〉は得意なんで判定ダイス2個、技量ダイス2個。判定ダイスが7の、技量ダイス6、5で合計18、成功ですね。成功度アイコンも1つあるので次のラウンドは中衛でも技量ダイスが1個増えます。「いけー! 頑張れー! 敵が怯んでるぞー!」って、カンテラを振りながら言います。
ロイド:じゃ、私はその声に応えて剣を掲げます。
フィンドール:では遠隔の行動を、角笛を吹いてるやつがヤバそうなので、あいつを先に止めるべきだなという策士っぽいこと考えつつ判定します……15で成功。
LM:回避修正値はないので、成功しさえすれば命中です。ダメージが3点なら、さすがにそれで倒れることはない。角笛から手を離すとかもないです。
ロイド:攻撃当ててすごいなー。
ローワン:これでPH側の行動はみんな終了ですかね。
LM:敵の番だ、幽鬼なんですが……炎恐怖症で、そして火の付いたカンテラを振ってる奴が目の前にいる。
ローワン:どうも!
LM:狙うならそこだよね。ボロボロの刃で突き刺してくる。幽鬼は闇の中にいるとすべての攻撃判定に有利を得るぞ。
ローワン:カンテラを光源にしていても、周りは暗闇だしなあ。
LM:(ダイスを振る)前衛スタンスだったので技量ダイスは1個増えて、憎悪点も減らされる前に使ってさらに1個増やして合計5個。
ロイド:わー、ダイスいっぱい。判定ダイスが10、技量ダイスは2、5、3、3、1。
LM:判定ダイスの出目が10なので痛打が発生しますね。
ロイド:あ、ローワン鎧着てない。
ローワン:つらい、とてもつらい。
ロイド:「痛打は即座に判定ダイス1個と着用している鎧の防御力の欄に記された数の技量ダイスを振らねばならない」武器の致傷値が難易度なので……
LM:幽鬼の武器の致傷値は16です。
ローワン:ま、しゃあないっすよね。防御の判定は……失敗です!
LM:ダメージは4点、これとは別に負傷状態になる。
ロイド:負傷状態の深刻度を判定ダイスで決めないと。サウロンの目を出したらまずい。
LM:プレイヤーが振るのがいいでしょうね、これは。
ローワン:振ります……出目1! 重度の負傷ですね。今振った判定ダイスの出目が回復にかかる日数だから1日か。あれ、意外と優しい。
ロイド:まだ戦えるけど、もう1回ローワンに攻撃が来て、また痛打が発生したらやばい。2回負傷したら瀕死状態ですもんね。
LM:狙い目ですね。
一同:(笑)
ローワン:実際正しい。カンテラを振り回していたばかりに標的になっちまった。「ぐわーーーっ!」負傷状態で重傷でしょう? 血を吹き出して倒れます。
LM:さて、後衛スタンスの敵ですが、小姓は角笛を吹き続けています。こいつらは行動しません。幽鬼は笛の音に反応して1体増えて、宿舎は封鎖されているのでスケルトンは増えません。これで敵の番は終了。
ゆらり、と空気が揺らめく。そして一行は寒気を覚えた。角笛の呼びかけに応じ、部屋に一体の幽鬼が顕現する。
参じた幽鬼は奥のヴァンディールに礼をとると、振り返って一行に向けて剣を構えた。

ロイド:早く終わらせないとまずい。
LM:角笛をなんとかするまで幽鬼が召喚されるようです。
ローワン:非常に困りますねぇ。
ロイド:幽鬼がカンテラを狙っているということに気がついて、「ローワン、それをこっちに渡してください!」って言おうかな。「僕はすばしっこいので! 僕がおとりになります!」
ローワン:カンテラに関しては、自分の手番が来たときに考えます。
イルムル:とりあえずこっちの攻撃、やります。希望点を使うかどうか…。
ロイド:さっきのローワンの鼓舞の効果があるので技量ダイスは1個増えてる。
ローワン:鼓舞した時点では決死ではなかったんだけどなぁ。
イルムル:〈斧術〉が3で、さっき希望点で技量ダイスを2個増やしてたんですけれども、前衛スタンスの分の1個を忘れてましたね。今回は鼓舞もあるので希望点は使わずに判定します。判定ダイスが5、技量ダイスが1、1、1、6、6で合計20、差分6で成功です。
ロイド:技量ダイスのブレがすごい。成功度アイコン2つだから、また重撃2回?
イルムル:そう、また20点ダメージ! 「これがあたいの本来の力!」
LM:出目を全部クライマックスに持って来てる……その一撃で幽鬼は消滅しました。
ロイド:じゃあ「ええ……やば……」という目を向けながら(笑)。ローワンの鼓舞で技量ダイスが1個増えているので、さらに希望点1点使って増やします。技量ダイス5個で振ります。よいしょ! 判定ダイスが3、技量ダイスが2、2、2、6、6! 成功度アイコンが2つで合計21です。
LM:回避補正あっても命中ですね。
ロイド:よし、成功度アイコンの効果どうしようかな。やっぱり重撃2回が強いかな、体力の能力値4を2回足して+8、小剣のダメージが3なので、合計11点のダメージ。正面から胸を刺しに行く。
LM:さすがに倒れはしない。が、しゅうしゅうと異様な声が口から漏れるみたいな感じで非常に苦しんでいます。
ロイド:こっちのリーダーはもっと痛いんです! 次はローワンか。負傷状態ってどういう動きでしたっけ?
ローワン:負傷状態でも特にペナルティーがあるわけではないので大丈夫……これ、ワンチャン幽鬼攻撃したら倒せないかな。
LM:命中させて、重撃2回入れたら倒せるんじゃないかな(笑)。
ロイド:でもローワンって体力能力値2だから、重撃入れても2点しか増えない。
ローワン:そっか、じゃあ〈鼓舞〉にしよう。カンテラは捨てようかな、戦闘に邪魔だと思って足元に置く感じで。〈鼓舞〉は得意なので判定ダイス2個に技量ダイス2個……13で失敗です。このラウンド、特に何もできてない。
ロイド:傷が深いから仕方ないよ。
フィンドール:私は弓を射かけます。笛を吹いてる小姓が危険だと判断し、優先的に処理しようと策を巡らせます。今回は希望点を使おうと思っているんですけれども、策士の特徴で高揚状態扱いでよろしいでしょうか。
LM:よろしいよ(笑)
フィンドール:「あいつを先にやらないと、このままではジリ貧だ!」とみんなに呼びかけます。技量ダイスが5個になって、判定ダイスが1で技量ダイスが6、6、4、2、1。
貫通で痛打にできないな……ただ体力5あるので、重撃を2回入れます。
LM:痛いよ。なんでクライマックス毎回重撃入れてくるんだよ。
ロイド:今まで溜めてきた出目の力が(笑)。でもフィンドール、今までもよかったな。
フィンドール:元々のダメージ4に、体力5を2回足して14点ダメージです。
LM:受けていた3点と合わせて合計17点でこいつは倒れる。幽鬼よりは弱い。小姓の手を矢が貫いて、そのまま胸に当たるみたいな感じにしましょう、重撃ですし。手を貫いているので、角笛がからんと地面に落ちます。で、小姓は霧となって消えていきました。
フィンドール:「これで、増援は防がれただろう」
ロイド:「じゃあ、あとは残っているのをやればいいんですね!」
イルムル:「残りもあたいに任せな」
ロイド:「あはは! 頼もしいです!」
イルムル:「今なら誰だって倒せる。鋼の鬣だって簡単さ!」
ロイド:実際それぐらいのダメージが出てる。
LM:(敵のラウンドになって)ではイルムルを狙う。技量ダイスは基本が3個、前衛で+1個、憎悪点も使ってさらに追加。
ロイド:LMの出目が良い! 痛打が発生してるし、成功度アイコンも1つ。
LM:これは痛いだろう。合計29ぐらい。とりあえず重撃が入って、痛打の処理を。
イルムル:負傷状態になるかの判定か。判定ダイス1個に、技量ダイス5個。致傷値が16。
LM:鎧があるからね。こんなに振れるのが鎧。
イルムル:判定ダイス8、技量ダイス5、5、6、5、1で、成功。
LM:では負傷状態にはならない、ダメージは重撃分で増えて8点です。イルムルは毎回デカいの当ててデカいの喰らってるな。
イルムル:これはデカい、痛い。
ロイド:戦い方が派手だ。
LM:では、奥のヴァンディールが嘆きの声を放ちます。「おお、角笛が。猛き角笛の音色が聞こえなくなってしまった」そして「剣を!」と叫ぶと周囲の闇が集まり、彼の手の中に一振りの剣として出現します。
ロイド:強そう。
ローワン:格好いい。
LM:この光景を目にした君たちは、恐怖点を2点得る。抵抗していいですよ。
ロイド:これは強欲な判定?(ホビットの文化圏特典を使いたい)
LM:恐怖です。どこが強欲なんだよ(笑)「お前にこの剣をやろう」ってわけじゃない。
ロイド:残念(笑)、では有利で判定ダイス2個と技量ダイス1個。合計で14なので、難易度15に1足りなくて失敗。
イルムル:イルムルも失敗。
フィンドール:普通に振りましょう。12で失敗。
ローワン:私も12で失敗! 影点2点受けます。
LM:影点めちゃくちゃ入りますね。どんどん蝕まれていく。
ロイド:みんな仲良く影点2点。さあ、PHの攻撃ターンだ!

ローワン:スタンスどうしよう。
ロイド:ロイドと大将で残りの幽鬼を殴って、姉さんの攻撃をこの、何か強そうなやつに当てるのが理想。
イルムル:幽鬼を先に仕留めた方がいいけど……今回は鼓舞がなくて技量ダイス4個になるから、さっきと同じことができるかどうか分からない。
ロイド:そうか、じゃあ姉さんに先に殴ってもらいますか。「お願いします、姉さん!」
イルムル:前衛スタンスなので技量ダイスが1個増えて、4個振ります。ダメージを受けている方の幽鬼を狙って……21だと差分7で成功。成功度アイコンが1つあるので重撃の効果でダメージ増やして12点。
LM:元々ダメ―ジ受けてるので、今の一撃で幽鬼は消滅。耐久値は18だったんだよね。
ロイド:「もう全部イルムル一人でいいんじゃないかな……」とか思っておこう。
イルムル:「うおー! 何か今日のあたいは調子がいいぞ!」
ロイド:「姉さんって、もしかしてオークの相手だけ苦手だったりするのかな……」
イルムル:オークの仇敵知識を持っているはずなんですけどね(笑)
ロイド:仇敵すぎて、憎しみで逆に鈍るのかもしれないですね。
ローワン:張り切りすぎてから回っちゃうタイプ。
イルムル:かもしれない。
ロイド:大振りになっちゃうんだな、武器が。じゃあ幽鬼にもオークにも何のしがらみもないホビットが振ろう。希望点は……せっかくだから使っておきます。これで希望点は10点。技量ダイス4個で振ります! 判定ダイス9、技量ダイス6、6、2、2の合計25で成功! 成功度アイコンが2つ。
LM:また!?
ローワン:クライマックス戦闘になるといきなり成功度アイコンが出始める。
フィンドール:痛打も発生?
ロイド:あ、本当だ! 武器に「鋭利」が付いているので、判定ダイス9以上で痛打ですね。成功度アイコン2つは、両方重撃にします。戦闘の出目がいい。足元に滑り込んで、敵の脛のあたりをザクッと斬っていきます。
フィンドール:このカンパニー、殺意が高い。
ロイド:重撃2回分を足して11点ダメージ。そして痛打発生、小剣の致傷値は16です。
LM:じゃあ、16を目標値として防御判定……16でピッタリ成功、あぶない。では残りの2人もどうぞ。
ローワン:中衛スタンスから〈鼓舞〉します。ただ、さっき判定失敗してるので希望点を使わないと成功できない気がする。希望点1点使って技量ダイス増やします。判定ダイス2個、技量ダイス3個! 判定ダイスが9の、技量ダイス4、1、6で合計20。成功です! 成功度アイコンも1つあるので、中衛スタンスも次回の判定にボーナスが乗ります。
ロイド:次もラウンドがあれば、ローワンの槍も当たるかもしれない。
フィンドール:私は相変わらず普通に弓で攻撃。ドヤ顔で美貌を晒しつつ。
ロイド:兜かぶってないからな、持っていかれて。
フィンドール:美しい顔で弓を射かけます。
ロイド:美しい顔で……?
フィンドール:判定ダイスが5の、技量ダイスが6、4、5ですね、合計20で差分は5。成功度アイコン1つあるので、重撃でダメージを増やして9点です。
ロイド:この敵、合計で20点入ったのか。
LM:だいぶしんどそうな感じです。こいつも幽鬼の類なので、火が近づいているとラウンドの開始時に憎悪点が1点減る……使わないのももったいないな。闇の中なので有利にもなって、手にした闇の刃で切りつける。攻撃対象はダイスでランダムに決めよう。(コロコロ)
ロイド:……ローワンだ。まずい。
ローワン:痛打は判定ダイスだから、技量ダイスが減っても関係ない! 一応回避値は16です。
LM:16ぴったりで、痛打。
ローワン:ダメージが3点以上だったら疲労状態に入る。
LM:ダメージは4点なんですけれども。
ローワン:まだ、まだ剣捨てられるから。
LM:さらに闇の剣の特殊効果をつけているので、影点1点。
ローワン:影からできた剣ですもんね! ……対抗できます?
LM:できないです。
ローワン:わかりました、これで影点合計6点なんだけれども。
フィンドール:ボロボロだ、今回の冒険。
ローワン:前回の時もボロボロだったさ、影点はなかったけど。さて、次ラウンド……これ前衛行ってもいい?
ロイド:いいんじゃないですか? 最後にローワンが槍当てるところ見たい。
ローワン:判定ダイス1個に〈槍術〉で技量ダイス2個。さらに、前衛スタンスで1個増えて、前のターンの〈鼓舞〉でさらに1個……希望点も使って判定すれば! ああ……出目がひどい!
ロイド:判定ダイス1の、技量ダイス3、1、2、5、4ですね。
ローワン:合計16で……失敗してる!
ロイド:ほんとかわいそう……もう、やっちゃってください姉さん。
イルムル:まかせろ、前衛スタンスと〈鼓舞〉のありがたい効果で技量ダイス5個で判定!(コロコロ)
ロイド:あ、もうめっちゃすごい。判定ダイスは3だけど。
イルムル:技量ダイスが6、6、3、4、4。合計26で成功!
ロイド:成功度アイコン、必ず2つ出るの何なんですか?(笑)
イルムル:これまでと同様に重撃を2回入れて、ダメージ合計20点。
LM:はい、その一撃で倒れます。
フィンドール:ちなみに耐久は何点でした?
LM:25点しかない、スーパーオーバーキルよ。
ロイド:姉さん何か決めゼリフありますか?
イルムル:決め台詞……今なんかもう、気持ちよくなってる。
ロイド:20点! 20点! 20点! ってダメージ出したからなぁ、姉さん。
イルムル:言葉が出ねぇ(笑)。斧で敵の身体をガッと外套ごと横に薙ぎ払って体をまっぷたつにする。「今日のあたいは冴えてるようだね!」
ローワン:縄梯子は全然作れなかったよな……
イルムル:「斧は100点満点さ」
ロイド:フラストレーションたまってたんだろうな。

LM:では、「ばかな……」と驚いたような顔を浮かべ、ヴァンディールの霊は消えていく。鎧は崩れボロボロの塊のようになり、彼の手にしていた闇の剣も虚空へと搔き消え、それに応じて砦の中の澱んでいた気が晴れ、少し明るくなったような気すらする。
フィンドール:角笛を回収しに行きます、どんな感じですか?
LM:見るからに呪われそうです。
一同:(笑)
フィンドール:「まあ、吹かなければ大丈夫だろう」
フィンドールが前に歩を進める。角笛は地面に転がっている。
暗がりの中、さらに昏く、しかし怪しげな光を放っているように見える角笛。だが持ち主であった幽鬼の小姓が消滅したためか、はたまたその主であったヴァンディールが消えたためか、だんだんとその光は薄れ、ただの古びた角笛のようにしか見えなくなった。
フィンドール:回収してエルフのマントで包んでおきます。
ロイド:地面に置かれたカンテラを拾い上げてローワンのところに持っていくんですけれども、大丈夫? 「……立てますか、ローワン?」
ローワン:「あ、ああ。」
フィンドール:1日で回復する傷ではあるし。
ローワン:でも、疲労状態でもある。
ロイド:影点も6点あるし。
ローワン:なんかよくわかんないけど1人だけボロボロ。戦闘にまともに参加していないのに。「どうにか動けは、する」と言いながらカンテラを受け取ります。
ロイド:「大丈夫ですか? 顔色ひどいですよ」
ローワン:「しょうがない。少し、寄り道をしすぎたようだ。一旦休憩を挟んでから裂け谷に向かおう」
LM/ヨレス:「どのみちここにいても体は休まらない。外に出よう」
ロイド:軽い気持ちで寄り道したのに。
◆エンディング
さびし野にあいた穴から一行が出てくる。地下の空間からは瘴気が放たれていたのであろう。それが消えたためか、この辺りの空気が少し清浄になったような気すらする。

ロイド:じゃあ「え? だ、誰ですか?」って声をかけてみよう。
LM:後ろの野伏が「無礼な!」とか言うけれども、女性が身振りでそれを抑えて。
ロイド:ホビット、ホビットのことしかしらない。
LM:ロイド、礼儀作法持ってなかったっけ?
ロイド:まだ相手が誰だかわからないから……
ローワン:一応、土埃は払っておくか。
LM:では、女性は「旅の者よ。私はギルラエン」と。
ローワン:「失礼、申し遅れました」っていうほど遅れてない気もするけれど、「ブリー郷のローワン。こちらがリンドンのエルフのフィンドール」
イルムル:「ドゥリンの民のドワーフ、イルムルだ」
ロイド:「ホビット庄のホビット、ロイド・トゥックです」
フィンドール:僕だけ挨拶できない人。
ローワン:一応、ヨレスさんのご紹介も?
LM/ヨレス:「野伏のヨレスです。ギルラエン様、どうしてここに」
LM/ギルラエン:「先見の力で、こちらに怪しい動きがあると感じて来たのだけど。そうでもなければ、こんな面白い一団がここにいるはずがないわよね」
ローワン:「面白い一団?」……まあ、そうか。
フィンドール:そうですね、いろいろバリエーションに富んでいる。
LM:ドワーフ、ホビット、人間、エルフ。さすがにねえ、そうそうそんな組み合わせは歩いてないんですよ。
イルムル:「高貴な人がわざわざこっちにまで来てくれるなんて、何か急ぎの用があるのかい?」
LM/ギルラエン:「急ぎの用があるのはそちらではなくて?」
イルムル:ある程度予見しているってことか。
ロイド:「ギルラエンさんって……そういえば名前を聞いたことがあるような」
ローワン:忘れてたの!? そうですね。では一応、自己紹介というか。「我々は鋼の鬣の一団を追ってフォルンオストからやってまいりました。フォルンオストの野伏の一団のヒアルイン殿から、『鋼の鬣を追うのであれば、裂け谷のギルラエン様の助力を乞うように』と言われ、今から向かおうと思っていたところです。ここでお会いできたのは、運の巡りが良かったというか。非常に光栄です」
LM/ギルラエン:「先見の力ではその鋼の鬣というのは分からないけれども、どういった存在なのかしら?」
ローワン:「青の山脈から霧ふり山脈へと、オークの一団を率いて来た者です」
イルムル:「あたいの爺さんもやられたし、かなりの強敵だ」
LM/ギルラエン:「敵(かたき)、ということですか」
イルムル:「そう、あたいは絶対にあいつを倒す」
LM/ギルラエン:「しかし、今のあなたたちでは手が届かないと。そういうことでしょうか」
ローワン:「残念ながら」
ロイド:「今だってこんなにボロボロですしね」
LM/ギルラエン:「手は携えるべきでしょう……裂け谷にお招きしましょう」
ロイド:や、休める……。
LM/ギルラエン:「今年ももう残すところ少ない。1年の終わりを裂け谷で過ごし、年が明けたら、その敵と戦う態勢を整えるとよいでしょう」という感じで、みんな裂け谷に向かっちゃっていい?
PL一同:はい!
ローワン:「助力に感謝します」
旅の一行は裂け谷に向かう。それから数日、ギルラエンらが知る秘密の道を通って、とうとうある晩に君たちが高原の荒れ地を越えると、旅人たちが常にそう感じるように、突然裂け谷の深い谷間の縁に出たのだった。
谷の縁から覗けば、はるか下にエルロンドの館の灯火が輝いているのが見える。
ギルラエンは優しい笑みを浮かべて言った。
「私はここに間借りしている身分だけれども、こう言わせてもらいましょうか。リベンデル、裂け谷にようこそ」
そうして一行は谷間を下り、橋を渡って裂け谷の入り口へと辿り着いたのだった。
◆幕間フェイズ
LM:というわけで。
セッション自体はこれで終了なんですが、育成というか休息と成長の話をしましょう。とりあえず前回と同じですね。3点ずつ冒険経験値を差し上げます。
ロイド:やったー。何かが伸ばせる。
LM:で、このセッションは秋を舞台に始めてしまったので、ここで冬の始まりになってしまう。で、ちょっとだけこの後の話をしてしまうと、年末にオークたちがグラム山から出てくることはなかった。野伏たちが監視しているからね。君たちはユールをここで過ごすことになったのだ。
細かい演出、その他もろもろは、次回(第三話)があればその時に出るから、とりあえず幕間のフェイズの手順として期間の決定です。今回は「ユール」、冬至の休暇の時期です。
ローワン:やったー。ユールだ。
LM:滞在地は裂け谷です。能力の向上は君たちが自由にできます。これまでに蓄えた経験値を使って、技能や武術を成長させたり、勇気や知恵のランクを上げられる。
ロイド:なるほど。
LM:レベルが高いやつは上げづらい。で、1つの幕間のフェイズに1つの技能を2ランク上げることはできない。
ロイド:そうですねえ。2ランクから3ランクへ、を2つやったら終わりかな。
LM:冒険経験値をたくさん持っていれば、勇気や知恵のランクが上がるけども、今回は足りない。それから精神的な回復がある。幕間フェイズごとに、PHは普通は心力に等しい値の希望点を回復するけど、ユールでは完全に回復します。
ローワン:ありがたい。
LM:影点の回復に関しては、浸食する影との戦いにおいて何らかの成果を得たかどうかが指標です。別に目的は達していない寄り道なんだけれども、実はこれは関わりがあるので、業績ではある。ささやかながら妨害してたので、影点を1点減らしていいよ。
ロイド:ありがとうございます。
LM:それから、余暇活動のルールです。PHが幕間フェイズのように、冒険を長期間休んでいると時間のかかることができる。歌とかが詠めます。
ロイド:これ、年変わりもありますね。
LM:次回のセッションが発生すると年代が72年になります。あと1年歳をとります。
ローワン:年が変わった時の「自分の知力ランクに等しいボーナス技能経験値を得る」というのは?
LM:得てもいいよ。
ローワン:やったあ。
ロイド:じゃあ私は5点もらって経験値が合計11点か。どうしようかな。とりあえず〈剣術〉を上げておいた方がよさそうな気がする。
ローワン:上げないと攻撃当てるのはキツイ。
LM:戦う気があるならそう。ただローワンなら〈戦術〉を上げて、防衛スタイルを選んで味方を守るようにもできるね。
ロイド:じゃあ自分の成長を考えよう、とりあえず〈剣術〉3に……あれ、上昇後に3になるなら経験値は12点必要!? 上けられないじゃん、武術。
LM:そんなね、セッション2回くらいで簡単に上けられたりしないんですよ。
ローワン:〈鼓舞〉を上げるか、〈槍術〉を上げるか。〈槍術〉を上げてもなあ……
ロイド:じゃあこれは次に回して、次回〈剣術〉を3にしよう。
フィンドール:私は〈旅行〉を1レベル上げます。
イルムル:疲労の回復ができるように。
フィンドール:そう、後ろから弓を撃っているとダメージは受けないから、疲労してもそんなにツラくないけど。
ローワン:自分のダイス運、マジで信用ならないんだよなあ……〈鼓舞〉上げるか。
LM:追い剥ぎはもっとサクッと倒して、クライマックスはもっと苦戦する予定だったんだけよね。
ロイド:不思議ですね。
ローワン:あるあるですね。〈鼓舞〉どうしよう……上げると本当に〈鼓舞〉しかしないマンになるけれど、じゃあ〈槍術〉上げれば成功するのかって言ったらそんなことはない。
LM:そのステータス的に多分、武器に振るのはあまり意味がないかな。〈鼓舞〉を上げて、〈戦術〉も上げておくと、攻撃仕掛ける時は中衛で〈鼓舞〉、みんなちょっと守りに入りたい時には防衛スタイル〈戦術〉みたいな使い分けができる。どっちもある程度成功しやすいし。
ロイド:ローワンは交渉事で輝く人だからな。
フィンドール:心力の高さを活かして、技能にいっぱい振るとか。
ローワン:〈戦術〉を1にして、〈捜索〉を1から2にすればぴったり技能経験点は使い切る。
LM:ぴったり使えると気持ちいいけど貯めといてもいいんだよ。経験点使えば強いってわけでもなかったりするから。
ロイド:貯めて一気に成長させるという手も。
ローワン:ただ、今のところ……一番役立たずでは?
ロイド:いや? 交渉してくれてるじゃない、礼儀系も。
LM:戦闘中にはあまり役に立たないキャラクターも普通にあり得るので。
ローワン:〈鼓舞〉は成長させると腐る気がするんだよな……有利で判定ダイス2個振れてるのになんで失敗するんだ! ……みたいな展開になりません?
ロイド:……時の運かな?
フィンドール:有利だと期待値が2くらい増えるんだっけ?
注:このゲームの判定ダイスには「サウロンの目」と「ガンダルフ・ルーン」があるため厳密には異なるが、0〜11の目のダイスと考えれば通常の期待値5.5に対し、有利では期待値が7.48となるので期待値は2弱増える。
フィンドール:言ってもそんなに有利って強くないのか。
LM:下振れしづらい、っていう意味ではすごく助かるんだけど。
ロイド:じゃあ経験値は残します。武術を上げるには1点足りなかった。
成長結果
ロイド(獲得経験点:11点) 成長:なし
フィンドール(獲得経験点:11点) 成長:〈旅行〉0→1(4経験点)
イルムル(獲得経験点:10点) 成長:〈治療〉0→1(4経験点)
ローワン(獲得経験点:12点) 成長:〈戦術〉0→1(4経験点)
ロイド:あ、そうだ。宝物点10点分はどうします? 現状だと誰かに集めても生活のランクは上がらないので、どう分配しても良さそうですけど。
フィンドール:じゃあ私がもらっていいですか?
ロイド:0が10になるのはでかい。それがいいと思います。
フィンドール:角笛ってなんかこう………売れます?
LM:どんなものなのかをまず調べてからじゃないかな。「魔法のアイテムの調査」というルールがあります。
フィンドール:魔法のアイテムか。
LM:吹くだけで影点を与えるんだから当然魔法のアイテム。「これは私の手に余ります」とか言ってもいいけど。
フィンドール:まあ一応「守護者」としての「影の調査」が使命なので。
LM:「守護者」としては売れないよね。ちなみにカンパニーに「探宝者」はいる?
ロイド:ロイドは「探宝者」ですね。
LM:「探宝者」を含むカンパニーは、余暇活動として「魔法のアイテムの調査」ができます。
ロイド:あー! やりましょうか?
フィンドール:お願いします。
ロイド:ホビット、魔法、ちょっとだけ詳しい。
ローワン:ホビットが懇意にしているお宝鑑定士みたいのがいるんじゃないかな。その人に見てもらうとなんだかんだ教えてくれるとか。
ロイド:なるほど……その辺にガンダルフ歩いてないかな。
LM:物語の展開的にガンダルフは今はここら辺にはいないけど、裂け谷のエルフたちがいるから調べてもらうことが可能ということにしましょう。第3話をやるなら、その時にこの角笛の鑑定結果が出てくるという形にします。
ロイド:いったいこの角笛は何なんでしょう。
フィンドール:「呪われた物には違いないが、なぜ呪われたのか」
LM:それが明かされるかどうかは次回の展開次第、ということで。
~指輪物語TRPG第2話『追跡の冒険者たちと呪いの角笛』 終了~

………
……
…
あとがき
今回ありがたくも指輪物語のリプレイの続きを書く機会をいただいたのであるが、ではどういったことを考えて書いていたのかという話をしようと思う。
TRPGのルールブックというものは一般的に分厚く、重厚であり、この指輪物語TRPGもまたそうである。つまり、このルールブックには『指輪物語』という物語のシーンを表現する魅力的な要素がたくさん詰まっているのだ。しかし、その全てを一回のセッションに詰めることは不可能だ。
第一話では旅、会議、戦闘という要素をルールとしては表現した。舞台はブリー村からさびし野を北へ、公式の主要NPCからは誰もが知るガンダルフを登場させた。
今回の第二話ではルールとして幕間(経験値と成長)、影点を追加した。旅や戦闘は今回もあるが、会議は外している。舞台はさびし野を東へ、崩落した地下の遺跡を出し、NPCとしてはギルラエン、アラゴルンの母を登場させている。
戦闘シーンは本来このゲームだと2セッションに1回くらいとルールブックに書かれているが、リプレイという読み物として敢えて多めに挿入している。
ここは卓が何を好むかによって調整して貰えば良い。
ビギナーセットのホビット村での冒険のように戦闘なんて全くなくても良いのだ。
そしてPHたちには呪われた魔法の角笛を持たせた。そう、魔法の道具である。指輪物語といえば『一つの指輪』という魔法の道具が物語の中核にあるのだ。やはりそういった、特にいわくつきの道具を登場させると指輪物語らしさが出てくるのではないだろうか。
物語は裂け谷につくところで幕間となった。
続きはどうなるだろうかと思わせることも大切だ。裂け谷である。エルロンドが登場するだろうか。角笛の調査や会議が行われるだろうか。そしてオークたちとの戦いはどうなるのだろうか。
先の展開にプレイヤーたちが、この場合はリプレイの読者たちも、気になると感じてくれればセッションは成功であろう。
あなたたちの卓で良き物語が紡がれんことを。
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執筆者
ξ˚⊿˚)ξ ただのぎょー
『小説家になろう』での執筆をつづけ、2022年8月に商業デビューした新鋭小説家。
物語の舞台となる世界の文化や、そこに生きる人々の各階級の流儀や風習などの描写の緻密さに定評がある。
代表作品
『モブ令嬢テサシア・ノーザランは理想の恋を追い求めない。』
『追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。』(上)(下)
『朱太后秘録1 私が妃だなんて聞いてませんが! 』



